当選したメイレネさん(29)は、仮設住宅で生まれた赤ん坊を含む4人の母親だが、浮かない顔だ。自転車で海に通う漁師の夫の苦労は増え、長男(10)の通学バス代を払うあてはない。復興住宅は2年目から家賃がかかり、毎月50キロの配給米も止まりそうだ。
こうした事情から、仮設住宅から漁村に舞い戻り、高潮対策で居住禁止になった水際に廃材で小屋を建てて暮らす家族が多い。その一人の女性(64)は「8人家族に仮設は狭すぎる。台風は怖いが、今の方が漁には便利だ」と話す。
フィリピン政府によると、台風で家屋約49万戸が全壊し、被害総額は約900億ペソ(約2300億円)に上った。アキノ大統領は10月末、被災地の包括的な復興計画を承認した。約1700億ペソの予算で20万戸の復興住宅建設を予定するが、着工したのはまだ約2000戸だ。