政治対立で支援届かず
ある市民は「政治対立が復興を阻害している」と指摘する。タクロバンの市長の伯母は、長期独裁政権を維持したマルコス元大統領の妻で現在は下院議員のイメルダ夫人。アキノ現大統領の父親はマルコス氏の政敵で1983年に暗殺されたベニグノ・アキノ氏だ。8日の合同慰霊祭にはアキノ大統領ら政府幹部は出席せず、イメルダ氏が参列し、反目を浮き彫りにした。
行政を尻目に、被災者を迅速に支援してきたのが外国からの非政府組織(NGO)だ。タクロバン市役所前の正面広場は8日、各NGOが実績を紹介するテントで埋まり、スタッフが記念撮影に興じていた。
タクロバンには来年1月、ローマ法王フランシスコが慰問に訪れるが、その後は大きな行事の予定はない。
「被災者が一番心配しているのは、NGOがいなくなってしまうことだ」
地元のロウェル記者は、NGOの関心がいずれ、世界が注目する次なる被災地に向かい、復興が停滞する事態を懸念している。(タクロバン 吉村英輝/SANKEI EXPRESS)