3年ぶりに実現した安倍晋三首相(60)と中国の習近平国家主席(61)による日中首脳会談は、個別の具体的懸案の処理や重要政策テーマを協議することではなく、会談を開くこと自体が主目的だった。
「きょう両首脳が直接会い、関係改善に向けて率直な話し合いを持ったことに最大の意味がある」
会談後、政府筋はこう振り返った。会談前には外務省幹部も「今回は、会って会談して写真を撮ればそれでいい」と語っていた。
弱まる対日批判
会談冒頭、首相と握手を交わした習主席の表情はぎこちないままだったが、日本側としてはいったん握手をしてしまえば主導権も握れるという計算もあった。日中外交筋はこう語る。
「第1次安倍政権当時の平成18(2006)年に、首相が胡錦濤国家主席と会談したときもそうだ。会って握手した瞬間にこっちが強い立場になる。中国側は対日方針を転換して会った以上、関係が悪くなると習執行部の失点となって後ろから矢が飛ぶ。だから一生懸命関係をよくしようとすることになる」