市が異変を察知できる機会はあった。女児は乳幼児検診を受けておらず、小学校に入学しているはずの兄も未就学。それぞれ所管する保健所や市教委担当者による家庭訪問では接触できなかった。一方、両親は児童手当を受給、定期的に市役所を訪れていたが、所管する子育て支援課は子供が所在不明という事実を把握していなかった。
この反省に立ち、市では乳幼児検診、就学、予防接種、児童手当受給の有無など、バラバラだった担当部署の情報を一元化。イントラネットで情報を共有できるシステムを整備した。乳幼児検診を受けず、接触困難な家庭を重点的に訪問する「ハイリスクケース」専任の保健師数人も配置した。現在も所在不明の子供が1人残るが、担当者は「組織に“横串”を通し、必ず確認するまでやるという意識が大切。決して難しいことではない」と話す。
DV調査に課題
昨年4月、虐待を受けて女児=当時(6)=が死亡する事件が起きた横浜市でも今年度から部局間の連携を強化。所在が確認できない子供が外国籍の場合は入国管理局に照会したり、戸籍から親族を把握して調査をしたり、生活保護受給家庭に含まれていないかなどを調べてきた。5月1日時点で143人だった所在不明の子供は3人にまで激減した。