≪成長戦略一色 かすむ財政健全化議論≫
成長底上げが「最優先課題」だとする声明を採択したG20首脳会合では、日本に対して景気失速を回避するよう注文が集まった。安倍晋三首相はアベノミクスの成果を誇示する一方で消費税再増税の先送り判断については多くを語らず、財政健全化をめぐる議論はかすんだ。
米、日本に直接懸念
「好循環が生まれ、デフレ脱却へ着実に前進している。(今後も)経済をうまく動かして税収を増やしたい」
首脳同士がざっくばらんに話し合った15日の非公式会合で、安倍首相はアベノミクスを通じて税収増を目指していくと力を込めた。再増税については「法律に従って判断する」とだけ述べ、景気が悪くなれば増税を中止する条項の活用をにじませた。
日本に対する他国の視線は成長の落ち込みに集中した。景気が順調で世界経済の牽引(けんいん)役を一手に担う米国は、日本経済の自滅をとりわけ不安視している。「再増税して大丈夫か」。米財務省幹部は日本の財務省に水面下で懸念を伝えていた。ルー米財務長官は開幕直前に「回復を支えるため日本は財政出動が必要だ」とあからさまに求めた。