イラン核問題の包括解決を目指し、ウィーンで開かれている欧米など6カ国とイランの協議が24日、交渉期限を迎える。各国外相間の会談を軸に大詰めの協議が続いているが、最終合意は困難との見方が広がっており、原則的な「枠組み合意」をまとめた上で交渉を延長する可能性もでてきた。「合意」「決裂」「延長」の3つの可能性と、将来に及ぼす影響を探った。
検証に残る不安
合意に向けた課題は(1)イランのウラン濃縮能力をどの程度残すか(2)対イラン経済制裁の解除の手順-などだ。合意すれば、国連安全保障理事会が禁じるイランのウラン濃縮が事実上、容認される方向で、経済制裁が解除されれば疲弊する経済に大きな救いとなる。
バラク・オバマ米大統領(53)は今月上旬、合意の目標は「検証可能で、核兵器開発は不可能と保証」することだと強調。ただし、合意を急ぐ余り、「検証」に関する取り決めが厳格さを欠く可能性も指摘される。