成田のシンガポール航空の搭乗口は45番ゲートでした。手荷物チェックを済ませ、搭乗口に向かう途中で私の名前ともう一人の方の名前が、「急いでください」と放送されました。前方を見ると、まだ10番ゲートです。私は、軽くて繊細な器と重くて精密なカメラの入ったバッグを脇に抱えて走りました。すれ違う人にぶつかりながら動く歩道を走っても走っても、やっと20番ゲート。また私の名前が呼ばれました。もう一人の方は到着したのか私の名前だけでした。どうしましょう、間に合わないかもしれないとくじけそうになりましたが、学生時代に陸上部だったことを思い出し最後の力を振り絞りました。やっと、45という数字が見え、ラストスパートをかけて滑り込みセーフ! 息をきらしながら席に着くと、CAさんが私の手荷物を上の棚にポーンと放り込みました。大事に抱えてきたバッグが…。はらはらドキドキしながら海を渡った器ですが、無事にアキコさんにお渡しすることができましたよ。(イラストレーター 平松昭子/SANKEI EXPRESS)