健さんの訃報を伝える家電量販店などのテレビ売り場では、昔の街頭テレビのように多くの人が画面に見入った。
CDや出演作のDVDなど、健さんの関連商品は品切れ状態が相次いだ。レンタルビデオ店でも各地で「貸し切れ状態」が続いている。
一躍、脚光を浴びた少年もいる。東日本大震災で通信社が報じた被災地でがれきの中を「水を運ぶ少年」の写真を、健さんは「あなたへ」の台本に貼っていた。「宝物です。ぎゅっと気合が入る」と話していた。
一方で健さんは写真の話をしたことを後悔していた。少年に手紙も送っていた。「私は君があまり注目されすぎてしまうことをのぞみませんでした。人生で一度しか味わえない子供時代を、できるだけ平穏に過ごしてほしいと願っているからです」
健さんはどこまでも、見事なまでに「高倉健」であった。(EX編集部/撮影:大橋純人、共同/SANKEI EXPRESS)