初公判を終え、ソウル中央地裁を後にする際、加藤達也前ソウル支局長を乗せた車は抗議デモ団に囲まれ、生卵を投げつけられるなどの妨害行為にあった=2014年11月27日、韓国・首都ソウル(大西正純撮影)【拡大】
産経新聞の加藤達也前ソウル支局長の公判で鍵を握るのが、被害者とされる2人だ。朴槿恵(パク・クネ)大統領と元側近の鄭(チョン)ユンフェ氏。2人が会っていた噂を取り上げた加藤前支局長を有罪に持ち込むためには、検察側は噂が虚偽であることを立証しなければならない。検察側の申請で鄭氏の証人尋問が27日決まったが、「朴政権の陰の実力者」(野党勢力)ともされる鄭氏が実際に証人として出廷するかが焦点となる。
鄭氏は、朴大統領の国会議員時代に秘書室長などを務めた。検察側は鄭氏を参考人聴取し、その陳述内容や大統領府の出入り記録などから、朴大統領と鄭氏が会っていた事実はないと判断。加藤前支局長の在宅起訴に踏み切った。鄭氏は聴取の際に加藤前支局長を「処罰してほしい」との意思を述べている。
鄭氏をめぐっては、朴大統領の弟らと「マンマンフェ」という組織を作り、大統領府に影響力を保持、人事などに介入していると野党勢力が批判している。