フランク・ロイド・ライトの設計の一番の特徴は、自然と調和したプレイリー・スタイル。深い庇(ひさし)や低い屋根で水平性を強調、屋内は壁を解き放ち、開放的な空間を演出している。その初期の代表作が銀行家、アーサー・B・ヒュートレイ邸宅で、1902年に竣工(しゅんこう)した=2014年10月14日、米イリノイ州シカゴ郊外のオークパーク(緑川真実さん撮影)【拡大】
ライト邸にほど近い場所に、ヘミングウェーが1899年に生まれた家が博物館となっている。ヘミングウェーは高校卒業までオークパークで過ごし、その後カンザスシティーの新聞社に就職した。だが生前オークパークについて書いたものは、ほとんど残っていない。「高級住宅街だからなのか、あまり好きではなかったらしいわ。私は環境がよくて便利だから好きだけれど」とオークパークに40年以上、住むゲイル・オールさん(61)は言う。
≪大火が契機 「町全体が博物館」≫
トウモロコシや大豆などの産地として知られるイリノイ州。そうした穀物を扱う世界最大級の商品先物取引所があるなど、シカゴはビジネスの街としての印象が強い。だが観光地としての魅力も大きい。高層ビルが立ち並ぶ摩天楼、市街のあちこちに点在するユニークなオブジェ、米観光サイト「トリップアドバイザー」で今年、世界の美術館・博物館の人気ランキング1位となったシカゴ美術館、ブルースやジャズなど音楽を楽しめるクラブも無数にある。