フランク・ロイド・ライトの設計の一番の特徴は、自然と調和したプレイリー・スタイル。深い庇(ひさし)や低い屋根で水平性を強調、屋内は壁を解き放ち、開放的な空間を演出している。その初期の代表作が銀行家、アーサー・B・ヒュートレイ邸宅で、1902年に竣工(しゅんこう)した=2014年10月14日、米イリノイ州シカゴ郊外のオークパーク(緑川真実さん撮影)【拡大】
「街全体が建築博物館」といわれるシカゴの系譜は、1871年のシカゴ大火に遡(さかのぼ)る。街の3分の1が廃虚となったが、農産物の集積地として栄えていただけに、復興は早かった。再開発と産業発展を背景にオフィスの高層化が進み、「シカゴ派建築」として20世紀の建築の中心となった。中心部を流れるシカゴ川を行く「建築リバークルーズ」では高層ビル、倉庫、跳ね橋など、50以上の建築物を眺められる。市内では、中心部のミレニアムパークにもユニークなオブジェが多数ある。街を歩けば、愛嬌(あいきょう)のあるピカソの彫像や、野獣のモニュメントに思いがけず出くわす楽しみがある。
シカゴ美術館はメトロポリタン、ボストンと並ぶ米国三大美術館の一つで、印象派のコレクションで評価が高い。中でも美術館の最高傑作とされるスーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」は、壁一面を使った大作。門外不出で、点描画から光を生み出す独特の筆遣いをじっくり眺めたい。