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【逍遥の児】晩秋の長瀞ラインくだり (2/2ページ)

2014.12.2 10:35

 わたしは唐突にインドの詩人、タゴール(1861~1941年)を思い浮かべた。ノーベル文学賞を受賞。彼は小舟に乗って、川下りをことのほか好んだと伝えられる。うーん。確かに川下りは心地よい。

 高砂橋の終点が迫ってくる。すとん。静かに着岸した。岸辺に上がる。しばし名残を惜しむ。やがて次の船が接岸してきた。見ると、船頭は若い。

 「地元には船頭を目指す若者がいます。しっかり鍛えて船に乗せる」

 現在、船頭は20人。世代を超えて20代から60代まで。後継者は着実に育っているようだ。

 飯島さんに話をうかがった。秩父出身。呉服商や送迎バスの運転手を経て、35歳のとき、誘われて船頭になった。

 「やれば、やるほど奥が深い。日々、勉強です。秋の紅葉や初夏の新緑を眺めながら、さおを操る。きれいですよ。季節感を味わう。お客さんとの出会いも楽しい。ああ、幸せなことだなーと思っています」。さお1本の人生。日焼けした顔。からりと笑った。(塩塚保/SANKEI EXPRESS

 ■逍遥 気ままにあちこち歩き回ること。

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