生々しい描写を再編集
作中、トラウマを抱えてしまった息子は、自分を小ばかにした不良グループの一人への報復として、ペニスを切り取ってしまい、すぐに自分の下半身に移植しようと病院へ急行する。白昼堂々、韓国の街中で、息子と不良が激しい争奪戦を繰り広げたわけだが、路上に落としてしまったペニスが無残にもトラックに踏みつぶされてしまうシーンは衝撃的だ。最初の編集に対し、日本の映倫にあたる組織からは「ペニスの描写がリアル過ぎる。削除してください」と注文がついたそうで、キム監督は素直に従い、よりマイルドな映像となるように再編集した。「僕が見てもあまりにリアルで、青少年への影響も考慮しました。実は最初に編集したペニスはスタッフの実物をかたどって作ったんです。動くようにも設計されていました。10日もかけずにすべての撮影を終えてしまうほどタイトなスケジュールでしたから、現場ではリアルなペニスの造形物を笑い倒すような雰囲気はこれっぽっちもありませんでしたよ」。12月6日、東京・新宿シネマカリテほかで全国順次公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:寺河内美奈/SANKEI EXPRESS)