ガイドのフォンさんは「昔はバラバラに住んでいたけれど、50年くらい前にブンビエン村という一つの自治体になった。200~300人の村民がいて水上に小学校もあった」と話す。過去形なのは今年に入って政府が陸上に揚がって生活することを奨励し始めたからだ。学校は閉鎖され住民は半分くらいに減ったそうだ。
「政府が陸上に家を建ててあげている。子供の勉強や生活のためにです」。水上村自体が観光コースとなり、村民たちはクルーズ船の客を相手に魚介類や土産物を販売している。無理に上陸させなくとも、と思うのだが。
たばこを切らしたので“浮島”の売店で購入した。8万ドン(約400円)というベトナムではあり得ない高額を請求されたが、ここまで運んできた手間賃を考えれば妥当か。水上村の小学校を出たばかりくらいの売り子が、自分よりもはるかに上手な英語を話していたのが印象的だった。(文:産経デジタル 長浜明宏/撮影:カメラマン 佐藤良一/SANKEI EXPRESS)
■さとう・りょういち 写真家。物語のある街を題材に旅行系の媒体で活躍中。旅先で出会った「色」を大切に撮影。ジャンルは問わない。著書に「パラオ海中ガイドブック」(阪急コミュニケーションズ)など。