「まずは、何もつけずに。お好みできなこや黒蜜をかけてくださいね。3度楽しんでいただけます」とZEN CAFEスタッフの坂西小百合さん。ぷるんぷるんと揺れるくずもちをまずはそのまま1口。とろ~んとした食感とともに、ほんのりした甘みが口に広がる。
「本店(鍵善良房)と同じ吉野産の本葛を使っています。くずきりとはまた違う味わいでしょう」。きなこをかけて1口、さらに黒蜜をかけて1口。香り高いきなこ、すっきりした甘さの黒蜜がくずもちを引き立て、絶妙のハーモニーを奏でる。
異なる食感を楽しんで
和菓子を気軽に楽しんでもらいたいと考え、カフェ業態の店にしたそうだ。伝統的な和菓子を供する「鍵善良房」は江戸時代創業で300年近く続く老舗。くずきりは「鍵善良房」の代名詞ともいえる名物で、今も人気が高い。その老舗店が本店の近くにカフェをオープンさせたのが2年前の11月。「和菓子がある時間をゆったり過ごしてほしい」という思いを持ち、古い建物をリノベートして、モダンにスタイリッシュに生まれ変わらせた。