カフェで出す和菓子は「コーヒーや紅茶にも合うように仕上げている」という。「上生菓子」(600円)の栗のきんとんは、表面のふわふわとした繊細な細工によって口の中で雪のように溶け、中の刻んだ丹波栗がほどよい食感を生む。コーヒーはオリジナルブレンドだ。
「季節のお菓子」(800円)は浮島と栗の蒸しようかんの一松で、しっとりしたカステラのような浮島とねっとりした蒸しようかんを交互に配し、栗の渋皮煮がごろりと入っている。異なる食感と上品な甘さに思わず顔もほころぶ。
小腹を満たしたいなら、「フルーツサンド」(1200円)がおすすめ。フレッシュなイチジクと濃厚なクリームの相性が抜群だ。くずもち以外のメニューは季節ごとに変わるので、新メニューを楽しみに定期的に訪れる常連客も多いとか。1人席には本棚をしつらえ、デザイン本や写真集を眺めながらお茶を楽しめる。洗練された空間とお菓子で過ごす時間のなんとぜいたくなこと。幅広い客層に支持されているのもうなずける。