さらに、ルーブル美術館やノートルダム大聖堂、ポンピドゥー・センターなどが立ち並ぶ中心部の4つの区では「住民の自家用車と(業務用の)バイク、観光バス、タクシー、宅配業者の車、緊急車両を除く車両の乗り入れを制限する」と述べ“歩行者優先ゾーン”の新設とともに、1億ユーロ(約148億円)をかけて自転車専用レーンも20年までに倍増させると訴えた。
「大気汚染の渓谷」解消狙う
パリの中心部は欧州の他都市と比べても人口密度が高く、世界中から訪れる観光客の多くは自動車の通行量の多さに幻滅するといわれる。とりわけシャンゼリゼ通りやルーブル美術館があるリヴォイ通りは「大気汚染の渓谷」(イダルゴ市長)と揶揄(やゆ)されるほど状況がひどいことで有名だ。
しかも、イダルゴ市長がパリ初の女性市長となった今年3月には、季節はずれの暖かさと晴天が1週間続き、市内の大気汚染度は基準値の2倍と史上最悪レベルに悪化。市長は地下鉄やバス、レンタル自転車を3日間無料にすることに加え、20年ぶりとなる自動車の運転規制を実施し、世界を驚かせた。