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バラク・オバマ米大統領(53)は23日にニューヨークで開かれた国連の気候変動サミットで演説し、米国と中国が地球温暖化防止のために共同歩調で指導力を発揮すべきだとの立場を表明した。オバマ氏はこれまでに、米議会の一部や産業界の反発を承知のうえで、米国内での温室効果ガス排出量削減策を強化してきた。今回の演説では中国にも同様の政治決断をとるよう促した形だ。中国も国内の大気汚染の深刻化を受けて排出量削減に前向きだとも言われるが、実際にどのような対応をとるかは不透明。2020年末以降の気候変動対策の枠組みを決める来年の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に向け、米中の駆け引きが続きそうだ。
17%削減に強い意欲
「米中は特別な役割を担っている。大国にはやらねばならないことがある」
オバマ氏は演説で、経済規模と温室効果ガス排出量の双方で世界1、2位である米国と中国が地球温暖化防止対策に率先して取り組むべきだとの立場を示した。