オバマ氏には気候変動問題で苦い経験がある。就任1年目の09年にコペンハーゲンで開かれたCOP15で、京都議定書第1約束期間の効力が切れる12年末以降の気候変動対策の枠組みでの合意を目指したが、排出量削減が経済活動の足かせになることを懸念する中国など新興国から反発を受けて失敗。その後、国際交渉の場では目立ったリーダーシップをとれなかった。
しかし、オバマ氏は米国内では風力発電など再生可能エネルギーの導入促進、自動車の燃費基準の強化、既存の石炭火力発電所に対する二酸化炭素排出量の規制強化を打ち出すなどしてきた。オバマ氏は演説で「就任時に比べて、風力発電は3倍、太陽発電は10倍になった。今後10年以内に自動車の燃費は2倍になる」と強調。09年に示した20年までに05年比で排出量を17%削減するという目標を達成すると意欲を示した。