ノーベル物理学賞を受賞する赤崎勇・名城大終身教授(85)、天野浩・名古屋大教授(54)、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(60)は8日、ストックホルム大の講堂で講演し、「21世紀の光」と呼ばれる青色発光ダイオード(LED)がいかに日本で誕生したのか、おのおのの秘話を明らかにした。
目にしみる青色
記念講演は授賞式と並ぶ重要イベントで、一般の人に英語で研究内容を紹介する。
この日はまず、赤崎教授がつえをつきながら登壇し、冒頭、「私の名前はレッドだが、ブルーライトの話をします」とあいさつ。「青色光に魅せられて」と題した講演では、椅子に座って大写しにしたスライドを見ながら、多くの研究者が開発を断念した窒化ガリウムを材料に選んだことについて、「最も重要なのは材料の選択だ。タフで電気伝導の性質が優れ、毒性のない窒化ガリウムに大きな可能性を直感した」と述べ、孤独な挑戦の始まりを明かした。