リーグ最終戦。優勝を果たし、逃したクラブがあれば、現役に別れを告げた選手もいる。浦和同様、最終戦に優勝の望みを残した鹿島では、元日本代表DF、中田浩二が引退した。帝京高校から鹿島入りし、トルシエ監督時代には「フラット3」の一翼を担った。セレモニーでは同期入団の小笠原満男、本山雅志の名を挙げて感謝し、「17年間、夢のような世界をありがとうございました」とあいさつした。
中田とともに鹿島の黄金時代を築いた柳沢敦も仙台で引退した。富山一高時代から将来を嘱望され、鹿島でFWとして活躍。イタリアへの移籍を挟み、日韓、ドイツの両W杯で日本代表のエースFWを務めた。
多くの中盤の選手がこれまで「天才」と呼ばれたが、ストライカーでそう呼ばれたのは柳沢だけだったかもしれない。半面、チャンスでもパスを選択するFWとして厳しい評価にさらされたこともある。
雪降る中での引退セレモニーに「雪国育ちの僕らしい。最後の花道を作ってもらい、感謝の気持ちでプレーした。幸せな時間を過ごせました」と語った。何より試合相手の広島の選手らに胴上げで送られたのが、この希有な才能との別れにふさわしかった。(EX編集部/撮影:山田喜貴、中井誠、森田達也、吉沢良太、共同/SANKEI EXPRESS)