2006年の国際教育音楽祭パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)で指揮するワレリー・ゲルギエフ=2006年7月9日(PMF組織委員会提供)【拡大】
「私はPMFの伝統を正確に知っているつもりです。バーンスタインが誕生させ、導き、大きな成果をあげてきました。これまでの25年間、すぐれた音楽家たちがPMFの豊かな伝統を築いてきました。日本という国が、この音楽祭を提供してきたことが素晴らしい。若い音楽家たちは、日本の緑豊かな素晴らしい町、札幌で過ごすわけです。彼らにとって印象深い数週間になってほしいと思います」と話す。
若い人の教育は大切な仕事
ゲルギエフはマリインスキー歌劇場で若手歌手の育成に努めており、来年6月に行われるチャイコフスキー国際コンクールの総裁でもある。
「私は、マリインスキー歌劇場では若い歌手たちとたくさん仕事をしています。6年ほど前、チャイコフスキー国際コンクールの総裁に選ばれました。ロストロポーヴィチの後継者としてです。過去、偉大な音楽家たちは、若い人たちをサポートする仕事を面白いと思って引き受けました。ですから私も引き受けたのです。バーンスタインは晩年、最も大切な仕事は若い人の教育だと言っていました。彼の気持ちはいま、よく分かります。私はPMFの芸術監督の仕事を引き受けることを、ただ、手探りで『はい』と言ったわけではありません」