はじめは楽しい曲で楽しく踊るのがスタンスだったが、演劇を専攻していた今人さんは「俺らは一人一人があまりうまくないけど、作り込んでお客さんを沸かせられるぜ」と思うようになる。そこで、わかりやすく盛り上げるには、J-POPを使おうという結論にたどり着いた。最初の曲は光GENJIだった。その後出演し大好評だった関東大学学生ダンス連盟のイベントに「ゲストで呼ばれるようになろう」と目標を設定。
そんなある夜、今人さんは夢を見た。ある曲で、客がシーンと静まりかえり大滑りしてしまう。振り付けも完成していたが急遽(きゅうきょ)、曲をX JAPANの「Rusty Nail」に変更した。そして、初めて1曲の中で踊りながらストーリーを紡ぐという演劇をベースにしたスタイルを採用したのだ。
これは大受けした。イベントの会場となった川崎のクラブチッタは大歓声で揺れた。今人さんは「これで合っていた。あの夢で曲を変えてよかった」と確信したという。さらに「今までに聞いたことのない歓声で、一番気持ちよかった」。05年のことだ。