消費電力は白熱電球の10%以下。寿命は10万時間と約100倍。省エネで長寿命なエコ照明は、地球温暖化の原因とされる温室効果ガス発生の抑制にもつながる。「LED照明の普及で、2020年までに、原発が担っていた電力の4分の1を賄える」(天野浩教授)との試算もある。
太陽光発電でも十分に使える光源は「発電所の能力不足で電気の恩恵を受けられない世界15億人以上の人々に光をもたらし、生活の質向上に寄与した」(ノーベル委員会)。2010年頃から国際協力機構(JICA)が始めた太陽光発電と組み合わせたLED照明の普及支援は、20カ国以上、約30件にのぼる。そのうち、約170の島からなる南太平洋のトンガでは、13の離島で家屋、教会、学校など500カ所以上にLED照明がついた。ブータン中南部のチラン県でも、電化から取り残された奥地の約60戸に初めて明かりがともった。
JICA資源・エネルギーグループの松永啓課長は普及支援について、「途上国の教育、保健の改革とともに生産活動、所得の向上、ひいては貧困層の未来につながる“光”だと思っている」と話した。(SANKEI EXPRESS)