ダブリンの街角でギターを弾き語りする売れないミュージシャンが、通りかかったチェコ移民で、楽器店でピアノを弾くのが楽しみのシングルマザーと心を通い合わせ、一緒に音楽を作ってデビューのチャンスをつかむ。2人はニューヨークでの成功を夢見るが、離れて暮らす夫がある女性は身を引く-。いわゆる「ボーイ・ミーツ・ガール」のストーリーだ。
映画ロケ地でイメージ膨らませ
原作は撮影期間17日、制作費は約1500万円という低予算映画で米国から人気に火が付き、世界で約20億円の興行収入をあげた。主演はアイルランドのグレン・ハンザードとチェコ出身のマルケタ・イルグロヴァ。共にミュージシャンで、2人が共作してアカデミー賞を受賞した主題歌「フォーリング・スローリー」の歌詞は郷愁と希望がテーマ。移民の国アメリカだからこそ、原作が持つ世界観が受け入れられやすい土壌があった。
今回の公演チームが秋にロサンゼルスに巡演した際には、グレン・ハンザードがカーテンコールで飛び入りし、古いアイルランド民謡を歌って喝采を浴びた。