ホールは挑戦の場であり、思いを遂げる場所であるべきとする。登場するアーティストはシャネルの歴史と伝統に敬意を払い、自らの誇りをかけて音楽を奏でてきた。「ここで演奏してきたアーティストは私たちのファミリー。私は53人もの娘や息子たちの父親のような思いでいる」と言葉を続ける。芸術面はもとより服装や話術、社交性、人生設計の助言とすべての面でアーティストを支えるプロデューサーの坂田康太郎も「音楽をはじめ芸術は生きるエネルギーであり、命そのものです。芸術の高みに到達しようとする思いはシャネルの精神そのものであり、このホールには創業者の魂が息づき、すべてのアーティストがそれに応えようと懸命です」と語る。
優しくも厳しいまなざしを若い音楽家に注ぐ大山は「歴史を継承すること。それは芸術において欠くべからざることです。音を出すだけでは演奏とはなりません。自らを知る場を持ち、音楽と向き合い続けなければなりません。10年の歩みを続けさせていただき心からの感謝を申し上げます。芸術家の成長を見守り、継続すること。これこそが芸術を探求することであり、芸術の魂そのものだと思います」と思いは深い。(谷口康雄/SANKEI EXPRESS)