アウトドアグッズを販売するキーン本社に隣接したフラッグシップストアには、リサイクル品を使用したアイデアが満載。シューズが並んだデスクはボーリングのレーンで、靴の試着用に置かれた椅子はドラム缶を再利用したもの。会計カウンターの頭上にはカラフルな道路標識が並ぶ=2014年10月20日、米オレゴン州ポートランド(緑川真実さん撮影)【拡大】
ニューヨークの片隅で生きる若者たちの「いま」を描いて高く評価され今秋、日本でも公開された米映画「フランシス・ハ」には、ポートランドに移住する友人のエピソードが紹介されている。開放的で居心地の良い街として多くのメディアが特集を組み、全米のみならず、世界中から注目を集めるポートランドの魅力とはなんだろうか。
30分程度でダウンタウンの端から端まで歩ける小さい街。郊外にはオレゴン州の自然が広がる。都市開発をする範囲を境界線内に制限した、自然と共存しつつ環境に優しいコンパクトシティーには、街造りのヒントを得るために世界中から見学者が訪れる。公共交通機関が充実、自転車利用者が際立って多い。
「心豊かな生活に憧れてきて、まずはコーヒーショップなどでアルバイトをする。ただ大企業は少ないので次の就職先がない。なので、アントレプレナー(起業家)になる若者が多い。さまざまな文化を受け入れる土壌があり、お互いに助け合ってるよ」と市観光局のジェフ・ハマリーさんは分析する。