JR東海は17日、2027年に東京・品川-名古屋の先行開業を目指すリニア中央新幹線の「工事安全祈願式」を地下にターミナル駅をつくる品川、名古屋両駅でそれぞれ開き、建設工事に着手した。45年の大阪までの全線開通に向けた総工費9兆円に上る巨大プロジェクトが動きだした。
工法使い分け
品川駅ではJR東海の山田佳臣(よしおみ)会長ら幹部、地元関係者ら約20人が参加し神事が執り行われた。山田会長は「本当に息の長いプロジェクトだが、世代を超えて円滑、無事に引き継いで初めて成就する大事業だ」とあいさつした。
リニア中央新幹線は最高時速約500キロで走行。品川-名古屋間の最短時間は現行の東海道新幹線の1時間28分から40分に短縮される。工事費は5兆5235億円で、全額をJR東海が自己負担する方針。
工事の最大の難関は、品川-名古屋間286キロの8割以上を占めるトンネルだ。ゼネコン関係者は「今世紀最大の難工事になる」と口をそろえる。世界トップレベルとされる日本の掘削技術が試されている。