トンネル区間が246キロメートルにもなったのは、リニアのスピードを生かすため、南アルプスを貫く直線ルートを採用したことに加え、都市部では用地買収が不要な40メートル以上の大深度地下を通るためだ。
都市部(首都圏、中京圏の55キロメートル)の大深度地下は「シールド工法」で、山岳地帯(191キロメートル)は「山岳工法」で掘り進むことになる。
シールド工法は土砂や粘土など軟らかい地盤に向いており、円筒状のシールドマシンでトンネルを掘削しながら、地盤の崩壊を防ぐために高強度のパネルでトンネルの形状を保つ方法だ。
だが、今回は深い場所では100メートル前後の地点を掘るため「これまで経験のない高水圧下での施工になる」(清水建設幹部)という。
ゼネコンそろい踏み
山岳部はさらに問題を抱える。標高3000メートル級の山々が連なる南アルプスを貫通するため、掘削地点から地上までの高さ(土被り)は最大1400メートルに達する。土の重みに加え、地下水にも高い圧力がかかっており、地盤の崩壊や大量の出水が起これば工事はたちまちストップする。