旅立ち、出会い、別れ、さまざまなドラマが生まれる駅。多くの利用客でごった返して活気に満ちた駅は、1日の業務を終え客が消えた深夜、一体どんな表情を見せてくれるのだろうか。こんな興味に応える駅の散策ツアーが2日未明、今年開業から100周年を迎えるJR東京駅(東京都千代田区)を舞台に初めて行われた。
乗降客がいなくなった終電後の駅構内を散策する「東京駅ミッドナイトツアー」で、JR東日本と東京駅の駅舎内にある東京ステーションホテルが企画。16人の参加者が利用客がまったくいない駅を貸し切り状態で堪能した。
ツアーはまず、山手線5番ホームで午前1時3分発の品川行きの最終電車を見送ってスタート。その後丸の内南ドームの床にヨガマットを敷いて寝転がり、東京駅の谷口善秀(よしひで)副駅長(44)の説明を聞きながら八角形のドームの天井に施された装飾を鑑賞した。ある参加者は「駅で酔っ払って寝たことはあるが、こんな風に寝るのは初めて」と言いながら、装飾を一つ一つ確認していた。また、8つしかそろっていない干支(えと)のレリーフや豊臣秀吉のかぶとをモチーフにしたキーストーンなど、東京駅の設計者、辰野金吾(たつのきんご、1854~1919年)がドーム内に仕掛けた謎の装飾に話が及ぶと参加者から「ほーっ」と感嘆の声が上がった。