NPO法人「AlonAlon」理事長の那部智史さん(左)と一般社団法人「Get_in_touch」理事長の東ちづる。胡蝶蘭などの販売を通じて「まぜこぜの社会」を実現する「Get_in_touchフラワープロジェクト」もスタート(tobojiさん撮影)【拡大】
しかし、そんな那部さんも、お金に縛られていた時代があったそうだ。彼の一人息子の慶太君は知的ハンディキャップを伴う自閉症。障がいがわかり、医師から「一生、しゃべれません」と告げられたときには、「世界でいちばん怖いホラー映画をみているようだった」と振り返る。
29歳でサラリーマンを辞めて起業。周囲から同情されたり、哀れまれたりしないためには、羨(うらや)ましがられなければと、必死で会社を大きくし、得た収入で華やかな生活を送ってみた。しかし、「自分が死んだ後、いったいこの子はどうなるんだろう…」という思いが頭から離れず、「幸せに生きる」ということを深く深く考えるようになったそうだ。「最初は社会が正しくて、自分の子がNGだと思っていた」という彼が、慶太君の障がいを受け入れ、「社会が寛容であればいい。社会が変わればいいんだ」と気づくまで、大きな苦悩があり、ずいぶん時間がかかったのだという。
福祉の新ビジネスモデル
AlonAlonのミッションは2つ。「障がい者の所得を引き上げる仕組みをつくり出すこと」。そして、「その所得によって豊かな生活ができるような環境(住居)をつくること」。