ただ、中国では2011年に、浙江省を走る高速鉄道で多数の死傷者が出る大事故が発生。技術や安全性への懸念がぬぐえないとの指摘も多い。今年11月には、中国企業に決まっていたメキシコでの高速鉄道プロジェクトの受注が、白紙撤回された。
日本にとっては、仏アルストムや独シーメンスといった巨大メーカーが中心となって動く欧州勢も強敵だ。情報収集やコンサルティング能力が高く、ノウハウや実績で勝る。韓国の高速鉄道も、仏高速鉄道「TGV」のシステムが採用された。綿密に調査をして事業計画を作り上げ、受注を有利に導く戦法だ。
一方、日本の新幹線は最短3分間隔で出発する正確性に加え、1列車当たりの平均遅延時間が1分未満という定時性を誇る。開業から50年を経て乗車中の利用者の死者ゼロという「安全神話」も築き上げた。
ただ、新幹線の輸出実績は、2007年開業の台湾高速鉄道のみにとどまる。「新幹線の安全性や信頼性の高さは知られているが、『価格が高い』と思われている」(JR関係者)こともあり、受注競争で苦戦が続く要因の一つになっている。