オペ・メンテ能力切り札
そんな中、日本勢も反撃を開始した。4月にJR東海、東日本、西日本、九州の4社が「国際高速鉄道協会」を設立。鉄道関連メーカーや大手商社も加わったオールジャパンの体制で技術を結集し、コスト削減など競争力の強化を図るのが狙いだ。
さらに、鉄道を中心としたインフラ輸出を支援する官製ファンド「海外交通・都市開発事業支援機構」が10月に発足。この機構は官民から集めた資金を元手に海外企業に出資し、日本企業の受注を資金面からサポートする。
まずはシンガポールとマレーシアを結ぶ高速鉄道などの受注を目指す。このほかインドの高速鉄道計画の一部で、JR東日本などが事業化調査を獲得しており、こうした案件を着実に受注に結びつけたい考えだ。
JR東の冨田哲郎社長は「30~40年間の運営管理を含めると新幹線は高くはなく、優れたオペレーションや、メンテナンスを切り札に勝ち抜きたい」と、中国や欧州勢との競争に自信をみせる。
大手商社の幹部は「受注を勝ち取るには、JRグループや鉄道関連メーカー、商社などの民間と、政府が有機的な連携の態勢を築けるかがカギを握る」と話している。(SANKEI EXPRESS)