北朝鮮の金正恩第1書記。お互いのリーダーを「独裁者」「サル」と揶揄し合う両国によるサイバー空間での壮絶なバトルは、闇に包まれた部分が多いのも事実だ=2013年7月27日、北朝鮮・首都平壌市(AP)【拡大】
能力レベルが高すぎ?
さらに、北朝鮮のサイバー攻撃能力を買いかぶり過ぎているとする主張もある。サイバーセキュリティーの専門家、スコット・ボルグ氏は「今回の犯行は、北朝鮮のサイバー攻撃能力に対してわれわれが想定しているレベルをはるかに超えている」という。今回、GOPは、SPEの従業員・俳優などの個人情報やメール、未公開のものを含む映画やファイル交換ソフトを大量に流出させ、100テラバイトのデータを盗み出したとしている。実際、それを裏付けるように盗んだ情報をサイバー空間に放出しているが、100テラバイトのデータをインターネット越しに流出させるには数週間はかかる。これにSPEの関係者が全く気づかなかったというのは不自然であり、「内部犯行説」が浮上する根拠になっている。
また、専門家がGOPのメッセージを言語解析したところ、英語の文法的間違いは元の言語から翻訳する際のミスによるものとみられ、攻撃者はハングルよりもロシア語を話す人物である可能性が高いとしている。
こうした一連の異説について、FBIやSPEは沈黙を貫いている。無論、バラク・オバマ大統領(53)自らが北朝鮮を名指しして断定した以上、確かな根拠があるに違いないとの見方が米メディアの主流だが、ふに落ちない点があることも確かだ。(SANKEI EXPRESS)