【メジャースカウトの春夏秋冬】
米大リーグ、メッツをフリーエージェント(FA)になった松坂大輔投手が日本球界に復帰し、ソフトバンクに入団することが決まった。松坂投手をと同じ1980年度に生まれた選手は「松坂世代」と呼ばれ、多くの選手が活躍してきた。彼らの多くが今年、35歳を迎える。
98年の「夏の甲子園」はまさに熱闘甲子園だった。ダイヤモンドバックスでスカウト活動を始めた年でもあり、強く印象に残っている。その後も毎年、甲子園を見続けてきたが、最もハイレベルな大会といえる。私たちメジャーのスカウトは、世界中の選手の能力をランク付けするが、この大会は点数が高い選手が一番多かった。
主役はなんと言っても横浜高を春夏連覇に導いた松坂投手だった。PL学園高との延長十七回の激闘は今も目に焼き付いている。決勝では京都成章高相手にノーヒットノーランを演じた。
メジャーでは先発ローテーションを死守できなかった右腕。日本球界に復帰し、過去の輝きを取り戻せるだろうか。アメリカでは、はじき返された自慢の直球も、日本でならまだまだ通用するだろう。右肘にメスを入れ、力を抜くなど投球テクニックを考える時期にきている。年俸的にも15勝前後の活躍が求められる。