若手実力派の菅田将暉(すだ・まさき、21)と人気モデルの森川葵(あおい、19)が、「自分とは一体何者なのか」と悩み抜き、バイクに乗って自分探しの旅へと駆り立てられるロードムービー「チョコリエッタ」(風間志織監督)でダブル主演を務めた。大島真寿美の同名小説を原作とする本作は、伊映画の巨匠、フェデリコ・フェリーニ監督(1920~93年)の代表作で、やはり登場人物が旅に出ていく「道」(54年、米アカデミー賞外国語映画賞受賞)の製作60周年記念作品と銘打ち、さまざまなオマージュもちりばめられている。
菅田は「この映画は恋愛映画というわけではありません。何かえたいの知れないものへ向けられた熱を帯びています。それが美しい映像で切り取られているんですよ」と出来栄えに満足そう。一方の森川は「監督は『主人公の少女のイメージは私(森川)そのものだから』と自由に演じさせてくれました」と振り返り、本作に持てる力を存分にぶつけたそうだ。
高校生の知世子(森川)が、「チョコリエッタ」と呼んでかわいがってくれた母親を、交通事故で失ったのは5歳のとき。以来、唯一心を許せる存在だった愛犬のジュリエッタも16歳のときに死んでしまい、知世子はますます孤独を募らせていった。そんなある日、学校で所属する映画研究部の風変わりな先輩、正宗(菅田)が知世子を主人公にした映画を撮ることを提案し…。