岡田氏は決選投票直前の演説でこう切り出し、長妻陣営に猛烈にアピールした。決選投票前の演説文を事前に用意していた岡田氏は「安倍晋三首相は憲法観を撤回しなければならない」とも語り、憲法改正を嫌う赤松氏らに最大限の配慮を示した。
これには伏線があった。岡田氏と赤松氏は17日夜、都内のホテルでひそかに会談した。「オレの処遇はいいから若いヤツを頼む」。赤松氏は近藤昭一(しょういち)元環境副大臣(56)らを念頭に、決選投票で岡田氏を応援する見返りとして人事での処遇を求めた。岡田氏は明確な回答は避けたが、決選投票前の演説で、人事や政策の方向性は大きく縛られてしまった格好となった。
決選投票では、長妻氏を支援したリベラル系の間で対応が割れた。赤松グループとは別に大畠章宏前幹事長(67)のグループ10人前後は細野氏に投票した。
水面下で働きかけ
細野氏は17日夜、大畠グループの大畠氏や鹿野(かの)道彦元農林水産相(72)と都内のホテルで向き合い、支援を求めた。岡田氏との勝負になると踏んでいた細野氏は、リベラル系でも保守に近い大畠グループの切り崩しのため、大畠グループを以前率いていた鹿野氏の説得に力を込めた。