岡田陣営からも説得工作を受けていた大畠氏が、グループの議員に携帯電話のメールで「細野氏支持」を指示したのは決選投票の直前だった。
細野陣営は赤松グループの切り崩しのため、輿石東(こしいし・あずま)参院副議長(78)への働きかけも行っていたが、「岡田陣営の水面下での働きかけが激しかった。向こうが上手だった」(細野陣営)とほぞをかんだ。
岡田氏は決選投票の演説で、細野陣営が積極的だった集団的自衛権の行使を容認する安全保障基本法案に言及し、「自民党の考え方とあまり大きな差がないんじゃないか。現在の案では賛成することはできない」と明確に否定し、くさびをうった。
しかし、細野陣営は「再提出する。リベラル色が強まることはあってはならない」と鼻息は荒い。細野氏も敗北後、「岡田代表のもとで私もしっかり頑張りたい」としながらも、安保基本法案に関し「互いにまとまれる案をつくればいい」と語り、なおこだわりをみせる。通常国会でメーンテーマとなる安全保障法制などをめぐり、火種は残った。(楠城泰介/SANKEI EXPRESS)