鎌倉は今年、元日から雪が降り、前途多難な1年を予想させる幕開けとなった。そういえば昨年も雪かきが必要なほどの積雪が2回あったなあ…と1年前を思い出す。もともと温暖で雪の少ない町ではあるが、今年もある程度の作業は覚悟しなければなるまい。
そんなことをあれこれと考えながら江ノ電和田塚駅を下り、海岸に向かう道を歩いていたら、春を思わせる甘い香りがかすかに漂ってきた。和田塚の小さな石垣の上に咲くロウバイのかおりだった=写真。
江ノ電の駅名にもなっている和田塚は鎌倉幕府の有力武将だった和田一族の墓地と伝えられる小さな空間だ。駅から歩いてもほんの数十秒。広さは児童公園程度なのだが、生活道路と住宅に囲まれ、ひっそりとたたずむ姿には、小さいながらも、これぞ鎌倉と言いたくなる風情がある。
海に向かう道路から9段の石段を上がると、古木に囲まれた土地の奥には「和田一族戦没の地」の石碑。傍らの説明板には次のように書かれていた。