トルコの首都アンカラの空港で、解放された総領事の娘を抱え上げて祝うダウトオール首相=2014年9月20日(ロイター)【拡大】
安倍首相は20日、エルドアン大統領、ヨルダンのアブドラ国王らとそれぞれ電話で会談し、人質の早期解放への協力を要請した。これを受け、トルコは水面下でイスラム国に接触を図っているとみられる。
安易な譲歩は困難
昨年12月に戦闘機の操縦士がイスラム国の捕虜となったヨルダンも、アラブ世界の名門ハーシム家が統治する王制国家で、小国ではあるものの、情報機関「総合情報部(GID)」による情報収集力などを武器に現実主義外交を展開する。日本もヨルダンが持つ有力部族との人脈や影響力などに期待しているとみられる。
しかし、「テロリストとは交渉しない」との大方針を掲げる米英は、強く反対した戦闘員の釈放に踏み切ったとされるトルコに反発しているという。米英と歩調を合わせる日本としてもイスラム国への安易な譲歩は極めて難しい状況にある。(カイロ 大内清/SANKEI EXPRESS)