歌舞伎俳優、中村隼人さん。[衣裳協力]ジャケット6万8040円、パンツ2万520円、ベスト2万1600円、シャツ1万2960円、ネクタイ9612円、ベルト9612円、チーフスタイリスト私物(価格はすべて税込み)=2014年12月8日(大石一男さん撮影)【拡大】
「苦労ですか…。たくさんありますけれど、舞台に出させていただいているだけでありがたいです。今は修業中なので、すべてが勉強。いろんなお役を、できる限り経験して、幅の広い役者になりたいです」。歌舞伎界で最も輝く20代花形役者の一人。端正で甘い風貌は、多くの女性ファンの心をとらえて離さない。26日に千穐楽を迎える新春浅草歌舞伎に出演しているほか、テレビドラマやバラエティーなどで活躍している。
名門・萬屋の二代目中村錦之助の長男に生まれ、小学2年生で初舞台。以来、歌舞伎から遠ざかることなく、舞台に出続けている。
舞台に立つ前、自分が演じる役の資料を読み込み、昔の映像に目を通す。「初めて演じるお役は、ちゃんと勉強しなければいけないし、2度目以降のお役だったら、もっと深く掘り下げ、前以上に良いものを演じてお客さまに満足していただかなくてはいけない」と話す。
歌舞伎はまず基本があって、そこから個性が生まれる。「新春浅草歌舞伎の第二部『仮名手本忠臣蔵 五段目・六段目』での役どころの千崎弥五郎は、これまで何百人もの先輩が演じている。お客さまに満足していただける千崎を表現するには、まず基本を完全に身につけ、自分なりの千崎を創り演じなければならない」という。