米ニュースサイト「スレート」の政治記者、ジャメル・ブイ氏は一般教書演説でオバマ氏が掲げた政策を、「民主党の草の根の支持者を引き付けるエリザベス・ウォーレン上院議員(65)の足取りをたどることで、民主党のリベラリズムを力強く守ろうとした」と分析する。
ウォール街の金融業界の支持を受けるヒラリー・クリントン前国務長官(67)が大統領になった場合に進めるであろう政策ではなく、ウォール街が体現する「1%」を激しく批判してきたウォーレン氏の路線を選んだというのだ。
共和党のミッチ・マコネル上院院内総務(72)は一般教書演説を「まるで再び大統領選に出るような演説」と評した。2年後の新大統領が歩む道を規定することで、オバマ氏は自らのレガシー(政治的遺産)を残そうとしているのかもしれない。(ワシントン支局 加納宏幸(かのう・ひろゆき)/SANKEI EXPRESS)