スルチからコバニを見下ろす丘では26日、奪還したはずの街の方から迫撃砲の爆発音や自動小銃の銃撃音が時折、聞こえてきた。
「コバニ奪還は、過激派と戦っているのはクルド人部隊だということを世界に知らしめた。トルコはいや応なしにその事実を認めざるを得ない。今後、クルド組織が『テロ組織』の認定を免れる可能性もある。クルドが国家となるきっかけになるかもしれない」
丘の上からコバニの街を撮影していたトルコ人記者は、こんな見方を示した。(トルコ南部スルチ 内藤泰朗/SANKEI EXPRESS)
■クルド人 トルコ、イラン、シリア、イラクに分散している人口2500万人から3000万人の民族で、独自の国家を持たない民族として世界最大の存在とされる。宗教はイスラム教が多い。独自の言語としてクルド語を持つ。イラクとシリアの混乱による政治的空白に伴い、イスラム国が台頭する一方で、クルド人が独立国家を目指す動きも活発化しているとの見方もある。