そんな西久保には絶対に譲れない一線があった。
「今後も独立経営を続ける。そうでなければ、スカイマークの存在意義がなくなる」
経営不振が表面化した昨年以降、西久保はあくまで自主再建にこだわり、出身地である関西のイントネーションでまくし立てることもあった。全日本空輸、日本航空という「2強」に真っ向勝負を挑み、寡占状態だった航空業界に価格競争を仕掛けたのは自分だ、という強い自負心だった。
「第三極として残る」
29日の記者会見で、会長の井手隆司(61)は「第三極として残ることが社会的役割だ」と西久保の思いを代弁した。
スカイマークは“ドル箱”といわれ、2強が「のどから手が出るほどほしい」(関係者)羽田発着枠を36枠抱えるが、井手は「36枠を維持しないと既存の航空会社で分け合うことになり、運賃は上がる」と述べた。