イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に拘束されているフリージャーナリスト、後藤健二さん(47)のものとみられる音声のメッセージが29日午前、インターネット上で公開され、ヨルダンに収監されているサジダ・リシャウィ死刑囚をトルコ国境に連れてくるよう要求した。イラク北部モスル時間で29日の日没(日本時間午後11時半すぎ)を期限に設定。応じなければ、拘束しているヨルダン軍パイロットのモアズ・カサスベ中尉(26)を殺害すると予告した。イスラム国側は、ヨルダンを標的に絞って揺さぶりをかけ、米国が主導し、ヨルダンなど中東諸国が参加するイスラム国空爆の有志連合の切り崩しを狙っているもようだ。
「死刑囚をトルコ国境に」
後藤さんとみられる音声は、英語で「トルコ国境でサジダ・リシャウィを私の命と引き換えに交換する準備ができないならば、ヨルダン人パイロットのモアズ・カサスベは直ちに殺されることになるだろう」などと述べた。具体的な交換場所は示さず、後藤さんをいつどこで解放するかにも言及していない。