微妙な世論見透かす
国内世論をにらみながら厳しい判断を迫られているヨルダンは、イスラム国が日本政府への身代金要求を取り下げ、女死刑囚の釈放を要求したことで、“当事国”として引きずり出された。イスラム国は多くの国の出身者を人質にしているとされるが、あえてヨルダンを標的とした。日本が親交の深いヨルダンのアンマンに現地対策本部を置いたこともあるが、有志連合切り崩しの格好の突破口と位置づけているようだ。
イスラム国への空爆にはヨルダンのほか、サウジアラビアやバーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)が参加。イスラム国は当初、中尉解放の条件として有志連合からの脱退を要求していたとされ、その狙いは変わっていないとみられる。
ヨルダンは近隣諸国への「全方位外交」と、米欧協調路線をとってきた。ただ、国民の7割がパレスチナ難民とその子孫とされ、潜在的にイスラエルへの憎悪と、その後ろ盾となっている米国への懐疑心が強い。昨年9月に公表された世論調査では、イスラム国を「テロ組織」と回答した人が62%にとどまった。イスラム国がこうした微妙な世論を見透かし、中尉を人質に揺さぶりをかけ、有志連合参加に反対する声を高めようとしている可能性もある。(SANKEI EXPRESS)