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「BLUE TOKYO」青森公演(下) 新たな舞台芸術の可能性 (3/4ページ)

2015.2.3 11:10

舞台公演「BLUE」は、青森大学新体操部と青森山田高校男子新体操部のメンバーも活躍。通常なら個人競技で使用されるスティックを手にして力強い群舞を披露した=2015年1月24日、青森県青森市堤町の「リンクステーションホール青森」(田中幸美撮影)

舞台公演「BLUE」は、青森大学新体操部と青森山田高校男子新体操部のメンバーも活躍。通常なら個人競技で使用されるスティックを手にして力強い群舞を披露した=2015年1月24日、青森県青森市堤町の「リンクステーションホール青森」(田中幸美撮影)【拡大】

  • メンバーが作った輪の中に1人が宙返りをして入る大技を披露する「BLUE_TOKYO」=2015年1月24日、青森県青森市堤町の「リンクステーションホール青森」(田中幸美撮影)
  • 新体操とダンスのただの融合ではない新たな芸術表現を開拓した「BLUE」の舞台。「BLUE_TOKYO」にしかできないアクロバット演技もふんだんに取り入れられた=2015年1月24日、青森県青森市堤町の「リンクステーションホール青森」(田中幸美撮影)
  • DAZZLEの幻想的なダンスは近未来SF世界を思わせる「BLUE」の舞台にぴったり=2015年1月24日、青森県青森市堤町の「リンクステーションホール青森」(田中幸美撮影)
  • 「BLUE」の舞台では随所に「BLUE_TOKYO」メンバーによるソロが見られた。酒瓶を「クラブ」のように操る小林翔さん=2015年1月24日、青森県青森市堤町の「リンクステーションホール青森」(田中幸美撮影)
  • 「BLUE」の舞台では随所に「BLUETOKYO」メンバーによるソロが見られた。椎野健人さんは額縁を手にコミカルなダンスを披露=2015年1月24日、青森県青森市堤町の「リンクステーションホール青森」(田中幸美撮影)
  • セリフはないが、顔の表情や身体表現で芝居をしたメンバー。左は主役の佐藤喬也さん、右はリーダーの大舌恭平さん=2015年1月24日、青森県青森市堤町の「リンクステーションホール青森」(田中幸美撮影)

 そんなに強い選手ではなかった。完璧な演技をこなしていたのに最後の最後でリングをフロア外に大きく飛ばして減点されるなど、どちらかというと失敗してしまうタイプの選手だった。だから2位どまり。「またやっちゃいました」。屈託のない明るい性格だった。サービス精神が旺盛で、いつも仲間を笑わせる人気者だった。

 「お前みたいなヤツは競技ではなくて、プロとしてパフォーマンスしたり人を笑わせたりするのが向いているんじゃないか」。ほどなく、荒川さんの知り合いの社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」でパフォーマンスを披露するようになった。新体操のプロ第1号だ。新体操のプロを誕生させるのが夢だった荒川さんにとって期待の星だった。

 そんな彼を病魔が襲った。舞台に立てなくなり、故郷の岩手に帰って療養しながら、それでも舞台にかかわりたいと照明の仕事を始めた。そのころの口癖が、「BLUE」公演のサブタイトルにもなっている「新体操で舞台を創りたい」。その後病状が悪化し2009年夏、帰らぬ人となった。わずか27歳の若さだった。

大坪政幸さんの追悼公演のようだった

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