というのも、友人に勧められて聴いたCDは、13歳とは信じがたい大人びたメッセージを放っていたからだ。たっぷりの声量、伸びやかな音域、老成しているともいえる歌詞。生まれつき障がいとともに暮らしてきたひらりちゃんは、わたしたちには計り知れない苦労もしてきたはず。何か達観しているのかもしれない。随分大人っぽいんだろうなぁ。勝手なイメージをふくらませながら、デビューアルバム『なないろの夢』の発表をかねた、インストアライブにお邪魔した。「こんにちは」と声をかけると、まるで久しぶりに会うめいっ子のようにフレンドリーで、とってもキュート! ココロのバリアをたちまち乗り越える天性の人懐こさをもっている。
「短波ラジオ」、初音ミクを歌わせるキーボード「ポケット・ミク」、カエルのパペット型楽器「ケロミン」。彼女のリュックの中には、音の出る玩具がいっぱい。「音」は彼女にとって大切な遊び友達なのだろう。次から次へと取り出して遊び方を教えてくれた。