≪「国への愛着」小1から 国際化対応≫
文部科学省が4日に公表した道徳の教科化に伴う学習指導要領の改定案は、小学1、2年の学習内容を「わが国や郷土の文化と生活に親しみ、愛着をもつこと」と明記し、現行の指導要領にはなかった「わが国」の文言が追加された。改定後は低学年向けの教材で、日本文化などの取り上げが可能だ。急速に国際化が進む中、子供たちがより早い時期から日本人としての「自己像」を描きやすくすることで異文化理解を深める狙いがある。
現行の指導要領では、「国への親しみや愛着」を教える授業は小学3年以降から開始することになっており、1、2年は子供たちにより身近とされる「郷土」の学習にとどまる。
文科省が作成し、昨年4月に全国の小中学校に配布した「私たちの道徳」の3、4年向け教材では、郷土の紹介と併せ、和服や和食など日本文化や節分などの年中行事が写真入りで掲載され、外国文化と比べながら学べる項目が設けられている。明治時代に活躍したギリシャ出身の日本研究家、小泉八雲(やくも、ラフカディオ・ハーン)の評伝コラムにも2ページを費やしている。