海外において評価される日本の“ものづくり”や“伝統”とは一体何か。パリでギャラリー「NAKANIWA」を営む日々の中で深く考えさせられるテーマだ。これらが日本の文化と深く結びついていることは言うまでもない。しかし文化とは根付かせるのも理解してもらうことも容易ではない。日本に暮らす日本人ですら認識が定かではない。いくら良いものを深く理解し、自らの生活に取り入れる欲求が高いパリだとはいえ、現時点で日本の文化を正確に理解している人々はごくわずかだろう。一方、パリにおいて興味の対象として日本に目を向ける人々は多いが、良い面もそうではない面もふくめ内容は表層的であることが多い。こうした状況において本気で海外に“何”を伝えるのであれば、現地の生活者ときっちりと向き合い一人一人に体感をベースにした“感動”を与える必要がある。
本質を見つめ直す
2015年、NAKANIWAは新たなプロジェクト“ORIGINS”を発表した。パートナーは石川県九谷焼の上出長右衛門窯である。2014年に始動した、有田焼400周年事業の一環である“SEEDS of ARITA”に続く試みだ。テーマは「0に立ち返るという新たな一歩」で、136年の歴史を積み重ねた九谷焼上出長右衛門窯とともに日本各地を旅し、多くの自然と各地の職人たちと出会うことを重要なプロセスとした。